人は誰しも心の中に「あたたかい」ものを持っていると思います。
助け合い与え合う、人と人との絆のある暮らし。
そんな素晴らしい世界が日本人本来の姿だと思います。
便利で豊かな社会をつくってくださった先輩方の想いと努力には、
ただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
タカジョウグループの目指すビジョンは、そんなあたたかい世界を応援することです。
一方で、同時に、発展に力を入れるあまりに、
物質的なものはそろったけど心の部分がそろってない。
「しあわせになるための発展」だったはずなのに、
「発展がしあわせにつながっていない」
どこか矛盾の世界もあるかもしれません。
その矛盾は、これまでの「私の人生体験」そのものなのです。
仕事中心で家庭をかえりみない父親への反発から、
社会人になると家を出て、東京で就職しました。
でも、父親を追い越したい、父親に勝ちたい、という思いもあって
会社を継ぐ気は無かったけど、会社を継ぐことを決めました。
「父親がやっていた世界とは違うもっといい世界があるだろう、つくれるはず」
そんな想いで、がむしゃらに走ってきました。
そんなあるとき、妻からの言葉が胸に突き刺さりました。
「私はちっともしあわせじゃない」
「父親を超えたい」と発展を進めるあまり、
自分自身が一番大切にしたかった「家族のしあわせ」を
置き去りにしてきてしまいました。
「これでは、父親と同じじゃないか!」
そして、突如一つのアラームが鳴ります。
「父の余命宣告 半年」
それをきっかけに、父親と和解することができました。
妻や家族、父親と和解してはじめて見えてきました。
「理想とするあたたかい世界」が、このタカジョウに、すでにあったのです。
タカジョウで働くパートさんには、お掃除の仕事を通じて
「理想とするあたたかい世界」をつくっていた人がたくさんいました。
毎日
「こういう世界を目指そうぜ!」って言ってたわけではなかったけれど
そういう風に日々過ごしていた人がたくさんいたのです。
父親は事業の発展という部分で
家族にはあたたかい世界をもたらしていなかったけど、
たくさんのパートさんたちとつながっていたり、
「形は違えど、父親もあたたかい世界をつくろうとしていた」
ということがリアルに見えてきました。
この「あたたかい世界をつくる」というビジョンは、
この会社にずっと昔からあったものでした。
自分たちの仕事の「しあわせ」を見つけ、
「生きがい」を見つけるためにやっていくと、
結果、形を変えながら発展していくと信じています。
タカジョウグループは、
そんな純粋な感謝と思いやりの心で
美しく温もり溢れる「人がつながるまち」を未来に残していきます。
株式会社 高浄 代表取締役 長井 正樹